ノートの最初に「書くことチェックリスト」を貼っておく

ここで、起業のための準備は何が必要か、ということについてご説明します。

起業を実現させて事業を続けていくための事前準備としては、およそ次のような項目があります。

1.動機と理念を固める

起業を実現するためには、「なぜ起業するのか」という質問の答えをしっかりと確認して、強い目的意識を持たなければなりません。

同時に、どんなことを理念として起業するのか、できるだけ早く固めておく必要があります。

理念を固めずにビジネスを始めると、目先のことにとらわれて不安定な企業になってしまいます。

起業を考えたら、早いうちに理念を固める必要があるのです。

2.スケジュールを策定する

起業したいと思っても、具体的にスケジュールを決めなければ、日々の仕事や生活に流されて、いつまで経っても実現しません。

本当に起業したいなら、まずは具体的な時期を定めて、そこから逆算して行動スケジュールを決め、実行していくことが重要です。

3.ビジネスモデルを検討する

起業がうまくいくかどうかに関して、大きなカギを握っているのが、「どんな事業をやるのか」ということです。

したがって、起業準備の中でも、ビジネスモデルを構築することは最も重要だと言っても過言ではありません。

ビジネスは、「誰かの困っていることを解決することだ」といわれます。

でも、ボランティアでは続けることはできないので、お金をいただくことが前提になります。

「誰に何をどのようにして売るのか」ということを考えて、売上から原価などのコストを差し引いてもしっかりとお金が残るビジネスを考えることが必要です。

4.起業家としてのマインドを強化する

起業準備において見逃されがちなのが、心、つまりマインドを強化することです。

事業を始めると、「売り上げが予想よりもはるかに少なかった」など、難局に直面することが多いものです。

すると、不安になり心が折れてしまう起業家も少なくありません。

逆に、事業がうまくいって儲けると、天狗になって浪費に走ってしまう起業家もいます。

こうした心の変化は、事業が長く続かない要因となるものです。

したがって、起業家が陥りやすい心の問題をあらかじめ知って、マインドを強化しておくことが重要です。

5.足りないスキルとノウハウを補う

たとえ、経験を積んだことに基づいてビジネスを始めるとしても、いざ起業するとなれば、サラリーマン時代とは異なるスキルを身につけなければなりません。

大手家電メーカーでデジカメを設計していたエンジニアが、画期的なカメラを発明して起業する場合を想像してみてください。

カメラを作ることはできても、それを売るためのマーケティングのスキルがなければ売り上げを確保することはできません。

こうした足りないスキルやノウハウを洗い出して、補っておくことが必要です。

6.ビジネスに必要な人脈を形成する

売上につながる取引先を確保するためだけではなく、ビジネスに必要な情報を得るためにも、人脈を形成することは重要な要素です。

また、起業すると、多くの人と交渉しなければならない場面が出てきます。

ビジネスを優位に進めるためには、対人交渉力を高めることも欠かせません。

7.事業計画を練り上げて資金を調達する

「起業ノート」で準備を進めたら、いざ起業を実現するための最終仕上げとして、事業計画を練り上げるという作業が待っています。

「事業計画書」の主な目的は、人に見せるということです。

とくに、起業資金を調達するために、資金を提供してほしい人や金融機関に対して、「なるほど成功しそうな事業だ」と納得してもらえるものにしなければなりません。

以上の項目は、起業準備過程において同時並行的に進めていくことが必要です。

そこで、これらを「書くことチェックリスト」として紙に書き、「起業ノート」の表紙の裏に貼っておくことをお勧めします。

毎日これを眺めることにより、起業準備に必要な行動をもれなく行っていくことが可能です。

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