起業を志すようになると、新聞や雑誌などメディアに華々しく登場する起業家の姿が目に付くようになります。
メディアでは、斬新なIT関係のビジネスなどで起業し、いかにも成功しているような起業家を紹介しています。
しかし、そのような起業家たちがやっているビジネスは、珍しいので話題にはなりますが、必ずしもうまくいっているとは限らないことに留意が必要です。
実際の売り上げは、さほど上がっていなかったり、コストがかさんでいたりして、赤字が続いているという企業も珍しくありません。
彼らのビジネスを見ていると、「起業するには誰も思いつかない斬新なアイデア必要だ」と理解しがちです。
しかし、アイデアだけでビジネスを軌道に乗せられるとは限らず、むしろ多くの起業家は飲食店など旧来型のビジネスで収益を上げています。
ですから、メディアに華々しく登場している起業家を見て、「とてもあんなふうにはなれない」とあきらめる必要はないのです。
一般的には、「起業」というと、最初から人を雇って大きくスタートするような事業を指すことが多いと思いますが、本書では、個人企業で小さく始める事業も「起業」ととらえています。
個人で自分のやりたいことで独立する「家業」や「生業」のレベルであっても、採算ラインの収益を上げて継続できれば立派に「起業」と言えるのです。
起業して事業を繁栄させていくために必要なのは、有名になることではなく、継続的に収益を上げていく仕組みをつくりあげることです。
メディアに登場する起業家たちの華々しさに憧れても、そのまま彼らのビジネスがうまくいっているものと鵜呑みにしないことが大切です。
メディアに登場する起業家のように華々しくはなくても、小さく起業してうまくいっている起業家はたくさんいます。
有名な起業家の姿を見て引け目に思わず、あなた自身に合った起業スタイルを探してください。
ただし、彼ら有名起業家の記事は大いに参考にすることができます。
とくに、ビジネスの着眼点や起業プロセスは、参考になるものも多いので、読んでみてあなたの起業に役立てられそうな内容があれば、スクラップして「起業ノート」に貼っておくといいでしょう。
また、記事を読むだけではなく、その企業のウェブサイトや店舗を見たり実際に商品やサービスを買ってみたりすると、より起業準備に参考になるノウハウが得られると思います。
とくに気になる起業家がいたら、会いに行って話を聞くというくらいの積極的な姿勢も必要です。
もっとも、有名になった起業家は忙しいので、簡単には会ってくれません。
うまく会ってもらうためには、アポイントを取るときに、その起業家が欲するような情報をもっていくことを説明するなどの工夫が求められます。