起業したいなら必要な資金を算出しよう

「起業したい」と思うなら、資金の面でどれくらい必要か、計算することが重要です。

起業準備段階では、事業を始めるにために一時的に必要な「イニシャルコスト」と、起業後に事業を継続するために必要な「ランニングコスト」とを分けて理解しておく必要があります。

「イニシャルコスト」は、経理処理で「有形固定資産」や「無形固定資産」に計上される「設備資金」と、「売上原価」や「販売管理費」に計上される「運転資金」に分けられます。

それぞれの内訳は、次表のとおりです。

表(イニシャルコストの内訳)

 設備資金運転資金(当初3カ月~半年分)


【「固定資産」に計上する費用】  
・店舗や事務所にかかるもの  (敷金・保証金・改装費用など)
・営業用車、機械購入費
・什器、備品購入費
・ホームページ制作費
【「原価・販売管理費」に計上する費用】
・原材料費   
・人件費
・店舗や事務所の家賃
・外注加工費
・広告宣伝費  
・交際費
・水道光熱費  
・交通費 
・通信費

起業時には、「設備資金」だけではなく、3カ月~半年分の「運転資金」相当額の資金も準備する必要があります。

事業をスタートしても、しばらく赤字が続くのが一般的だからです。

起業するまでに、何にいくらかかるのか(かけるのか)ということを、じっくり考えることが重要です。

「起業ノート」を使って、シミュレーションを行ってください。

実際にどれくらいの資金が必要か、情報を集めることも必要です。

たとえば、店舗を構えるなら、地元の不動産会社に足を運んで物件情報を見ると現実的に必要な金額が見えてきます。

「イニシャルコスト」について、基本になる考え方は、「明らかに無駄になる金は使わない」ということです。

たとえば、「事務所や店舗」を例にとると、業種業態によってかけるべき金額が変わってきます。

私のように、コンサルタントであれば、全くかけずに自宅で開業することも可能です。

一方、飲食店などの業種は、店舗の立地条件で売上が左右されますから、できるだけいい物件に投資することが望ましいということになります。

イニシャルコストにいくらかけるか検討するときは、二つのポイントで考えてください。

一つは、「資金をいくら準備できるか」ということで、当然その範囲の中で決めなければなりません。

ここでいう「資金」とは、必ずしも自分が貯めたお金だけではなく、人からの出資金や借入金も含まれます。

もう一つのポンとは、イニシャルコストとしてかけた金額を、何年分の利益で「元がとれるか」という考え方です。

何年間事業を継続すれば、「かけた金額と同額の利益(またはキャッシュフロー)」を出せるかを予測します。

もしも予想利益が1年間に100万円とすれば、イニシャルコストとして1億円かけたら元をとるのに100年かかりますから、とても効率の悪い事業となります。

ホテルなど、最初の投資額が大きい事業は別として、できるだけ5~7年で元がとれる投資額を検討することが重要です。

また、「イニシャルコスト」をかけて事業を始めると、それを維持するための「ランニングコスト」も必要です。

「ランニングコスト」は、「運転資金」の欄に記入してある経費のことです。

起業を考えている人のうち多くは、「イニシャルコスト」だけを意識してしまいがちです。

でも、事業を維持発展させるためには、「ランニングコスト」についても、十分考えておく必要があります。

実際に起業すると、予想した以上にかかって負担が大きいことに気づかされるものです。

多くはできるだけ少なくすべき費用ですが、広告宣伝費など効果を読みながら適切にかけていくべきものもあります。

「ランニングコスト」についても、起業準備段階からどれくらいかかるのか(かけるのか)検討しておくことが重要です。

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