起業してビジネスを順調に続けるには、「人脈マップ」のマトリクス中で、「タイプ3群」の人脈を構築することが大切です。
しかし、「タイプ3群」の人脈を増やしたつもりでも、相手があなたのことを人脈と思ってくれなければ意味がありません。
「相手が自分の力になってくれる」という一方的な関係はあり得ないということです。
その人が仕事上の利害を超えた友人や趣味の仲間などであれば、「損得抜き」で親しく付き合ってくれるでしょう。
また、あなたのことを無条件にかわいがってくれる支援者も出現するかもしれませんが、それはきわめて稀なことだと思います。
普通、ビジネス上の人脈は、お互い何らかの「メリット」を感じることが必要です。
つまり、あなたも相手に何らかの力になれて、初めて「人脈」として成立するということです。
「身も蓋もない」と思うかもしれませんが、忙しい中で他人のために時間や労力を割くという行動をとるのは、何かメリットを感じるからこそのことです。
自分がメリットを得たいからといって、相手にガツガツと求めたら人脈になるどころか、逃げられてしまいます。
真に人脈といえる関係を構築するためには、まずはあなたが「あの人はどうしたら喜ぶか」と考えることが先決です。
それでは、相手が「メリット」と感じることはどんなことでしょうか?
直接的には「金銭的な利益につながること」ですが、必ずしもそれだけではなく人によって千差万別です。
例示すると次のようなことが考えられます。
○会いたい人の紹介
お客様、関係する業界のキーパーソン、いい仕入先など、求めている人を紹介します。
○役立つ情報やノウハウの提供
その人の役に立つような情報やノウハウを与える、または持っている人を紹介します。
○商品やサービスの紹介
その人が売っている商品やサービスについて、買ってくれそうな人に紹介したり、または広告宣伝活動の手伝いをしたりします。
○いい評判の伝達
その人の長所や実績について、褒める言葉を他の人に伝えます。
○イベントの祝福
「会社設立10周年」など喜ばしいイベントがあればお祝いの言葉やプレゼントを送ります。
「相手がメリットと感じること」を知るためには、できるだけ頻繁に会って話を聞く必要があります。
会う回数が多ければ、相手もあなたについて興味をもち親しみを感じてくるものです(これは「ザイアンス効果」といわれています)。
このように、まず相手にとってのメリットを知り、あなたが先にメリットを与える行動を続ければ、相手もあなたに「お返し」してくれるようになります。
また、相手から「信頼できる人」と思われることも必要です。
そのためには、「明るく感じよく振る舞う」、「仕事上で実力を示す」、「期待以上のリターンをもたらす」といったことが重要です。