新卒でサラリーマンになったときには、ビジネスマナーについて会社の先輩や上司からしつこく教えられますね。
一方、起業したら基本的に誰も教えてくれる人はいませんし、もしも間違っていたとしても注意してもらえないので、「これでいいのだ」と思い込んでしまうものです。
しかし、ビジネスマナーを知らないことが原因で、せっかくのビジネスチャンスを逃している起業家は多いのです。
起業家が押さえておくべきビジネスマナーは、サラリーマンとそれほど大きく異なるわけではありません。
次のような項目を意識してください。
これらを「起業ノート」の目につきやすい個所に記載しておくといいでしょう。
1.時間や約束を守る
「当たり前のことだろう」と思われるかもしれませんが、意外にこれができていない起業家がいるのが実態です。
「いつも時間に遅れる」、「約束した日までに実行しない」、「会合やセミナーなどを無断でドタキャンする」という人がいます。
こういう起業家は、「たいしたことではない」と軽く考えているのですが、「ルーズな人」という評判は結構広がります。
東京のように人口が多いところですら、「あの人はいつも時間に遅れる」という噂話は多いのです。
「当たり前だけどとても重要なマナー」だと自覚してください。
2.メールのマナー
起業すると、メールでのやり取りをする場面がとても多くなります。
ところが、適当にメールを送っているために、損をしている起業家は少なくありません。
相手によって、件名の書き方や冒頭のあいさつ、文章の雰囲気も変える必要があります。
読みやすいように、30~40字で改行します。
また、最後に「署名」を入れて、自分の住所などの情報をきちんと伝えることが重要です。
ビジネスでは、長すぎるメールは嫌われますので、簡潔明瞭にすることを心がけてください。
また、メールは言葉と違ってニュアンスが伝わりにくいので、ちょっとした文章の書き方で相手に誤解を与えることがあります。
送信する前に、読み手の立場に立って読み返して修正することが欠かせません。
3.発送やFAXのマナー
商品や書類を送る場合、相手が気持ちよく受け取れるような工夫が重要です。
乱雑な宛名書きや、ボロボロの梱包で届いたらどのように思うでしょうか?
また、必ず分かりやすい「送付状」を添えることが大切です。
FAXであれば「FAX送信状」を作って、「本票を含めて3枚」などの表示をします。
送付状や送信状を付けることによって、相手が連絡するときに役立ちますし、あなたのことをより強く意識するでしょう。
4.これまで染みついた習慣に気をつける
サラリーマンを長く続けて起業する人は、勤務時代に身についた習慣が抜けきれないものです。
高い地位に上り詰めた人は、知らず知らずのうちに「自分は偉い」と思い込んで人に対して「上から目線」になりがちです。
逆に、若くして起業する人は、きちんとあいさつができないなど、当たり前のビジネスマナーが身についていないことがあるので留意が必要です。
5.企業や役所の人と接する場合
起業家になると、あまり意識しなくなってしまうのが、組織における地位です。
とくに取引先が大手企業や役所などの場合は、関係者と交渉ときに必ず相手の地位を意識する必要があります。
部長などの役職名がついている人に対して、ヒラ社員と同じような話し方をすると、印象を悪くしてしまう可能性があります。
必ず「○○部長」など、職名を意識して相手に敬意を払う意識を持ってください。
また、とくに役所の職員は、タクシーやエレベーターの乗り方、宴席での席次などにこだわります。
ちょっとした飲み会などでも、「上座がどこで席順をどうするか」と考えるのです。
このようなマナーは、くだらないことのように思うかもしれませんが、ビジネスに直結することになるので、十分意識するようにしてください。