使える「人脈マップ」を作ろう

「ビジネスには人脈が重要」ということは昔から言い尽くされていますが、今でも全く変わらず「その通りだ」といえます。

ところで、「人脈」ってどんな人たちのことを指すのでしょうか?

一般的には、「ビジネスを行うのに際して、情報やノウハウを与えてくれる人や、いざというときに支援してくれる人」というイメージで語られていますが、私はもっと広い範囲で捉えています。

簡単に言うと、ビジネスで関わる全ての人が「人脈」だと考えています。

そこで、ビジネスに必要な人脈とはどんなものかと、それぞれの人との付き合い方の留意点について整理してみたいと思います。

業種によって違いはありますが、人脈はおおむね次の表のように分類できます。

表【人脈の種類】

人脈の種類具体例
販売先(お客様)・販売先企業の担当者 ・ファン(固定客) ・見込み客
取引先・仕入先  ・外注先   ・販売代理店
ビジネスパートナー・スタッフ ・業務提携先 ・共同開発先 
支援者・メンター ・金融機関担当者 ・専門家やコンサルタント
共通点のある人・同じコミュニティ(業界団体、交流会など)に属している人 
その他・ビジネスの利害を超えて付き合える親友など

このように、ビジネスを軌道に乗せるためには、たくさんの人たちとの関わりが欠かせません。

構築すべき「人脈」とは、この表に記載されているすべての人たちとのつながりです。

起業準備の過程でこのうちの多くを確保することが、順調なスタートを切るためのカギとなってきます。

「人脈は厳選すべき」という意見を言う人もいますが、私はまずは多くの人と出会って、広く浅く人脈を構築する意識が大切だと思います。

長く付き合える人と出会えるかどうかも、確率論だからです。

少なくとも起業準備段階から起業して間もない間は、セミナーなどに出かけて多くの人と接触することが必要です。

そのうえで、真に有効な人脈を構築するツールとして、「人脈マップ」を作ることをお勧めします。

「人脈マップ」とは、「ビジネスで関係する可能性」と、「信頼できるか」という二つの軸で構成されるシンプルなマトリクスです。

図【人脈マップ】

大 ←(ビジネスで関係する可能性) →   小
【タイプ1】  何回か接触して「タイプ3」になる可能性を探る Aさん Bさん          
【タイプ3】 頻繁に会う機会を設ける Dさん    
Eさん
【タイプ2】 Cさん  フェードアウトする【タイプ4】 ゆるく付き合う Fさん      
 
疑問  ←      (信頼できるか)           → できる

使い方は、出会った人について、このマトリクスのどこに位置するか考えてプロットしていきます。

また、横軸は「好きか嫌いか」という軸にする方法もあります。

企業に勤めている間は付き合う人を好き嫌いで選べませんが、起業家になれば無理して嫌いな人と付き合ってもうまくいかないからです。

この「人脈マップ」は唯一パソコン(エクセルなど)を活用したほうがいいものです。

その理由は二つあります。

一つの理由は、分け方の表現がストレートで固有名詞を記入するため、人の目に触れないほうがいいからです。

もう一つの理由は、同じ人と接触しても最初の印象と違ってきて、別の象限へ移動させることがあるからです。

たとえば、「ビジネスで役立ちそうな人だけど信頼できるかな?」という「タイプ1群」の人なら、付き合いを簡単に止めるのではなく、「タイプ3群」に移行して大切な人脈にならないか、何回か接触することが重要です。

このマトリクスは一例ですが、出会った人についてどのような付き合いをしていくべきかを考えるため、あなた独自の「人脈マップ」を作成してみてください。

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