ビジネスではいかに人を動かすかが課題

起業してビジネスを軌道に乗せるためには、多くの人を動かす能力が求められます。

経営者が動かすべき人とは、販売先(お客様)、仕入先、資金提供者、従業員などが代表的な例です。

お客様に対しては、マーケティング活動や営業活動を通じて、あなたの商品やサービスを「買おう」という気持ちにさせる必要があります。

仕入先などの取引先に対しては、うまく交渉してできるだけ有利な価格や条件を引き出すことが重要です。

資金を調達するには、投資家や金融機関の担当者を説得しなければなりません。

さらに、従業員を雇用すれば、モチベーションを高めて能力を発揮させるためのマネジメントが大切です。

人を動かすためには、強引に自己主張をしてもダメで、いかに相手から「好意」、「共感」、「納得」といった感情を抱いてもらうかがカギとなります。

そのために、起業準備段階で、磨くべきスキルが三つあります。

それは、「コミュニケーションスキル」、「プレゼンテーションスキル」、「ライティングスキル」です。

コミュニケーションスキルは、幅広い意味で使われていますが、簡単に述べると「人との会話において相手を気持ちよくさせて円滑な人間関係をつくる能力」といえます。

円滑なコミュニケーションを図るためにもっとも重要なことは、相手の話をよく聴いて理解することです。

そのうえで、「どのように反応するか考える」→「自分の言いたいことを伝える」→「相手の反応を把握する」といったサイクルを回していきます。

コミュニケーションスキルを高めるためには、「起業ノート」に人との会話の記録を残すことが有効です。

たとえば、営業先の企業の担当者との会話で、「あのときこういう言い方をすればよかった」、「一方的に説明してしまった」など、振り返ってみて思いつく反省点などを、自分自身にフィードバックします。

そのセルフフェードバックを糧にして、次回の別の人との会話に応用していくのです。

コミュニケーション能力は、人との会話の実践によって高めることができます。

起業準備段階から、積極的に人との会話を行うように取り組んでください。

また、ビジネスで人を動かすには「プレゼンテーション能力」も重要です。

プレゼンテーションといえばアップルのスティーブジョブズを思い出す方も多いと思いますが、ビジネスにおいては、プレゼンの良し悪しが業績を左右するといっても過言ではありません。

プレゼンテーション能力も、高めるためには場数を踏むことが欠かせません。

たとえ、「ダメ出し」されるようなことがあっても、それによって足りない部分を補うこともできます。

起業準備の間に、できるだけ人前でプレゼンする機会を経験することを心がけてください。

そして、必ず「起業ノート」に反省点を記録しておくことが重要です。

起業のために高めるべきものとしてもう一つ、「ライティングスキル」(書く能力)があります。

昨今、とくにマーケティング論の中で、このライティングスキルの重要性がクローズアップされています。

具体的には、チラシやホームページで自社の商品やサービスのPRをする「セールスレター」と呼ばれるものがあります。

以前のチラシといえば、いかに価格が安いか、品質がいいかといったことをアピールする内容が多かったものです。

それに対して、最近の「セールスレター」は読み手の欲求をうまく引き出す内容や、いかにも買いたくなるようなキャッチコピーを散りばめています。

また、マーケティングツールとして活用される「メールマガジン」などの文面についても、ライティングスキルが効果を左右します。

ライティングスキルを高めるために、「起業ノート」に「セールスレター」のネタを蓄積しておけば、起業後にとても役立ちます。

また、人に読んでもらうための文章を書くことには、一日も早くなれておく必要があります。

たとえば、起業準備の過程をブログに書くなど、できるだけ量稽古を行っておくことが重要です。

うまく人を動かすために、以上の三つのスキルを高めてください。

そのためには、数多くの人と会話や交渉を行う実践経験を積み、「起業ノート」を活用した振り返りの作業が有効なのです。

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