自分の尻に火がついて、「早く起業したい」という思いが強くなったら、より実現に近づくために、独立の日を具体的に定めることが大切です。
そうしなければ、時間が経過して、結局タイミングを逸するということになりかねないからです。
それでは、具体的な独立の日はいつにすべきでしょうか?
独立の日は、次の三つの観点を考慮して決めるといいでしょう。
1.家族の事情
家族のタイミングはもっとも重要です。
起業することで転居を伴うなどの事情があれば、子供の学校の問題などが関わってきます。
また、できれば大学進学など、学費がかさむタイミングは避けたほうが無難といえます。
2.起業準備に要する期間を考慮
当然、起業準備にかかる期間も考慮しなくてはなりません。
ここで説明する重要な準備は、十分にやっておく必要があります。
ただし、期間が長すぎるのは禁物です。
起業を現実化させるためには、半年から長くても3年以内にすることが重要です。
それ以上長いと、準備した内容が陳腐化して時代に合わなくなり、結局起業できない可能性が出てきてしまいます。
3.今の仕事のタイミング
勤めている会社は、できるだけ円満に退社するほうが、その後も継続的につながりやすくなります。
元勤務先は、取引先や情報をもらう先として、重要な意味をもつことが多いものです。
そのため、あなたがいるポジションから考えて、他の人に迷惑をかけないなど、いいタイミングを選んでください。
とくに、管理職など責任ある立場にいるなら、年度末や人事異動の時期などがいいかもしれません。
また、たとえば、重要なプロジェクトに携わっている場合は、それが終了する時期にするべきでしょう。
プロジェクトをやり遂げることは、事業の経営においても役立ついい経験になるからです。
以上のような観点を考慮して、最適な独立日を決めてください。
ただし、「すべて何の問題もない」という時期はなかなか訪れないものです。
会社のタイミングに合わせようとすると家族が困るなど、どこかに不都合が生じることが多いと思います。
起業を実現したいなら、多少の不都合があっても、最大公約数的な時期を強引にでも定める決断が必要です。
このようにして時期が定まったら、「起業ノート」に大きく「20〇○年□月△日に独立する!」と記入してください。
独立時期を決めたら、ノートや机の前に「起業まであと○○日!」と表示すると、グッと現実味を帯びてきます。
時期が明確になると、独立することへの期待感で、準備が楽しく感じられるようになります。
また、定めた時期は、フィックスされたものとしてとらえて、気持ちがぐらつかないようにすることが肝心です。
ただ、起業準備が順調に進めば、時期を前倒しにしたくなる場合があります。
その場合は、再度上記の1~3の観点を検討し、大きな問題がなければ時期を早めてもいいと思います。 実際、私が相談を受ける方の3割ほどは、定めた時期が早まったという結果になっています。