「いつか起業したいと思うけどなかなか踏み出せない」という人は、頭の中で「ああでもないこうでもない」とモヤモヤと考えるだけになってしまいがちです。
そこで、「起業ノート」に、起業したとした場合のメリットとデメリットを書き出してみる作業をお勧めします。
一般的には、次の表のようなメリット・デメリットが考えられます。
起業することによるメリット | 起業することによるデメリット |
・うまくいけば収入が増える ・人に指図されず自由になれる ・時間は自分の思い通りに使える ・人生が刺激的になる ・自己実現が図れる ・自分の成長を実感できる ・やりたいことがやれる ・休みは自分で決められる ・満員電車に乗らなくていい ・社会貢献ができる ・付き合う人を選べる | ・収入が安定しない ・交通費が支給されない ・病気になると収入が途絶える ・不安が多くなる ・孤独になる ・失敗すると路頭に迷うかもしれない ・クレジットカードが作りにくくなる ・忙しくて休みがとりにくくなる ・税務申告は自分でやらなければならない ・雑用も自分がやらなければならない ・今の職場の同僚と疎遠になる |
上記は一般的に考えられるものを記入しているので、あなたならではのメリットとデメリットを書き出してみてください。
たとえば、数年ごとに転勤することを求められる会社に属している人であれば、「転勤せずに定住できる」ということがメリットになるでしょう。
起業を考えると、スキルを高めるなどいくつかのハードルを乗り越える必要がありますが、ここではそれは気にする必要はありません。
こうして表に書き出してみると、起業することによるメリットとデメリットが明確に見えてきます。
デメリットの内容に着目すると、収入面が安定しないことやうまくいかなかったときの不安がとても大きな要素であることが分かります。
ということは、うまく儲かるビジネスを始めて稼ぐことさえできれば、これらのデメリットは解消することができます。
もっとも、一時的に稼ぐだけではなく継続的に利益を上げなければならないので容易ではないですが、それが実現できれば起業することによるメリットを享受できるのです。
実は、起業のメリットとデメリットを書き出す作業は、起業に伴うデメリットを解決する意欲を喚起するためのものでもあります。
デメリットの大半は、事業を軌道に乗せることで解決するものであるということを認識できるのです。
逆に、書き出したデメリットを眺めて、「これらは自分にとってとうてい乗り越えることができない」と思う間は、起業することはやめたほうがいいでしょう。
また、この作業は、起業を決意した後、具体的にやりたい事業が見えてきてからでも、再度行ってみることが有効です。
その時点で、起業することに伴うデメリットが考えられるとすれば、それを乗り越えることができるかどうか自己確認することで、起業への決意がより強固になるとともに、事業を成功させるために準備すべきことを明確にできるからです。