最近私は、「起業して地域や社会に貢献したい」という若者からの相談を受ける機会が増えています。
その内容は、地域の高齢者の問題を解決するための事業や、過疎化が進んだ地域の活性化を図る事業など様々です。
こうした事業をしている人たちは「社会起業家」と呼ばれており、人々の共感を得ています。
彼らの多くは、「お金儲けをしたいのではなくて、世のため人のために役立つことをしたい」という高い志をもって、一生懸命に社会貢献する活動へ身を捧げようとします。
それは賞賛に値することですが、彼らの事業は、収入を得ることが容易ではないので、続かないことが多いのが問題です。
長続きしないのでは、十分に社会貢献ができているとは言えません。
また、せっかく起業した起業家自身も、自分の給料がとれないため、貧乏暮らしを余儀なくされ、「貧すれば鈍する」という状態に陥りかねません。
ですから、社会貢献を第一に考えて起業する人も、必ず「自分たちの利益をどうやって確保するか」という視点を忘れないことが重要です。
地域の人や社会が求めるいい企業であれば、なんとしてでも長く続けることが課題となります。
そのためには、どこかで課金するシステムをつくり上げて、お金が回るようにすることが必要です。
社会貢献を目指す起業家の中には、儲けることに引け目を感じている人も珍しくないのですが、もっと自分の利益をしっかりとれるモデルを考えるべきです。
社会起業家でなくても、利益を上げ続けることができる起業家は、必ずなんらかの形で社会に貢献しているものです
。利益を上げているということは、誰かが求める商品やサービスを提供しているといえます。
儲かった分税金を払えば、間接的に社会に貢献していることになります。
また、従業員を雇えば、地域の雇用創出に貢献します。
さらに、あなたが社会貢献を志すなら、もっと大きく日本全体を盛り上げるようなビジネスを考えてみてはいかがでしょうか。
現代日本は、表面的には誰もが平和に暮らせるいい国のように見えますが、国際問題、財政や経済の問題、社会問題など、多くの問題を抱えています。
かつては世界を股にかけて隆盛を誇っていた数々の日本企業の国際競争力は低下し、サラリーマンの給料も下がり続けているのが実態です。
このままでは日本の将来は、なかなか明るい材料を見出せないというのが多くの人の見方でしょう。
もし、全く新しいビジネスを生み出す起業家が数多く出てきて、自らの目標を達成できれば、今の閉塞感が漂う日本を変える原動力になるにちがいありません。
あなたも「自分はそんな器ではない」と思うのではなく、広い視野をもって稼げるビジネスを始めることを考えてみませんか。